通貨制度の基礎に金を据える制度

大恐慌のさなかに大統領に就任したルーズベルトは、1837年以来1オンス20ドル67セントに評価されていた金の公定価格を1934年に1オンス35ドルに評価替えしました。

これはどういうことかというと、金を一つの通貨という見方をして、ドルの交換レートを金に対して大幅に切り下げたわけです。
つまり、通貨を切り下げることによって、ドルの通貨価値を下げて、デフレを防ぎ、できうればインフレ的な経済に引き上げようというつもりで、大幅な平価切下げをやったのです。
民主党のビッグスペンディング・ポリシー、すなわち大規模な財政政策の下地作りをしたわけです。

この1オンス35ドルは1971年12月のスミソニアン体制のときまで維持されました。
ルーズベルトが金に対して切り下げたドルの価格が40年近くも続いてきたということなのです。

アメリカはわずか十数年という実に短い期間で、通貨政策がコロコロと変わっています。

金本位制とは、通貨制度の基礎に金を据える制度のことです。
まず通貨と金の重量の関係を固定します。
(一円は何グラムというように)。
そして通貨と金との交換を保証するのです。
金本位制度下では、通貨(紙幣)と金がともに流通し、紙幣は金兌換券ということになります。

同じ金本位制といっても、国に金が十分にある場合には、現実に豊富な金貨が作られ、日常の生活にも金貨が入り込んで流通します。
これは金貨本位制といわれます。
第一次大戦前までの古典的金本位制の時代には、多くの国がこの制度を採用していました。
また、金の量が十分にない場合には、金を節約する金本位制として金為替本位制が考え出されました。

日本人にとって金本位制というのはなじみの薄いものです。
明治の頃の金本位制というのは、建前上は金本位制でしたが、日本の明治政府が作った金貨は、金と銀の比率を誤った為、海外に流失してしまって、国内で使われることがほとんどありませんでした。

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