貨幣としての金

金の歴史をひもとくと、金が通貨としての本性を内在させている特殊な金属であるがゆえに自然発生的に、洋の東西で貨幣の中枢の地位を占めてきたといえます。

人類の経済は、はじめは自給自足の小集落の中から芽生えました。
次第に他の集落との間で、例えば海辺の集落が山里の集落と物々交換をし、生活の内容を膨らませて行きました。
やがて、自然からの採取物だけでなく、草木の繊維から布を編んだりして、加工物を物々交換の手段としたのです。
品物の交換が活発になり、人々の生活も豊かになりました。

物と物とを交換する不自由さから、人類は交換の仲立ちをする、物より抽象化された通貨の原始的な形態として貝や石を用い始めました。
そんな古い昔でなくても、アメリカ大陸では、イギリスからの初期の入植が始まった頃、ニューイングランド地域では、マッチが貨幣の役割を果たした時期がありました。
また、たばこが使われた地域もあったのです。

人類は貝や石といった自然物を通貨として使う不自由さ、より細かく計量する不自由さや、より多くの価値を持ち運ぶ時の不自由さから銀貨や金貨を発明していきました。
銀貨や金貨といっても、はじめから円形のコイン状のものが発明されたわけではありません。
銀や金の粒や塊だったものが、交換の手段として使用されていました。
物の交換の仲立ちとして、銀や金が、より抽象化され、貨幣として認識されるようになると、今度は逆に貨幣にある役割や機能を期待するようになったのです。

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